映画「ライフ」のラストはなぜ衝撃的なのか?【ネタバレあり】

映画「ライフ」のラストはなぜ衝撃的なのか?【ネタバレあり】

映画『ライフ』は、地球外生命体との出会いを題材にしたSFスリラーで、その衝撃的なラストが話題になりました。

今回は、「映画『ライフ』のラストが、どのように衝撃的なものなのか」について、解説します。

この解説記事には映画「ライフ」のネタバレが含まれます。

あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。

1. 『ライフ』映画のあらすじ

『ライフ』映画のラストが話題になる理由

1-1. 映画『ライフ』の概要

映画「ライフ」は、2017年に公開されたSFスリラーで、宇宙空間を舞台に未知の生命体との恐怖を描いた作品です。監督はダニエル・エスピノーサ、出演にはジェイク・ギレンホール、レベッカ・ファーガソン、ライアン・レイノルズ、真田裕之らが、名を連ねています。

物語は、国際宇宙ステーション(ISS)を舞台に始まります。

宇宙ステーションの船員たちは、火星から土のサンプルを回収するミッションに従事しています。この土のサンプルには、人類にとって初の地球外生命体が含まれていると期待されました。

サンプルを無事に回収した船員たちは、その土の中から微生物を発見します。この生命体を「カルビン」と名付け、宇宙ステーションの船員、地球上のスタッフらは、大きな科学的発見として祝福します。

しかし、その微生物は少しずつ大きくなることに気付きました。

さらに、宇宙ステーション内でカルビンを研究するうちに、その生命体は成長が早く、高い知性を持ち、さらに攻撃性も備えていることが明らかになります。

その後、カルビンは、宇宙ステーション内で船員の1人を襲い、命を奪いました。

船員たちは捕らえて隔離しようとしますが、カルビンは高い知性を使って次々と逃れ、船員たちは次々と襲われます。

船員たちは、カルビンを宇宙ステーション内に閉じ込めて、そして地球に向かうことを阻止できるのか?

1-2. キャスト

主に、次の5人です。

デビッド・ジョーダン(演:ジェイク・ギレンホール)
本作の主人公で医者。長期間宇宙ステーションにいるため、身体にガタが来ている。温厚な性格で、元々はシリアで軍医をしていたが争いが嫌で宇宙へ逃げてきた。

ミランダ・ノース(演:レベッカ・ファーガソン)
船員として入ったばかり。規律に厳しく、船員の命よりも規律を重視する。ローリーと共にカルビンとの戦いに巻き込まれることになる。

ローリー・アダムス(演:ライアン・レイノルズ)
陽気な航空エンジニア、序盤でカルビンに襲われる。

ショウ(演:真田広之)
船員の中で最もベテラン、システムエンジニア。

ヒュー・ダリウス(演:アリヨン・バカレ)
船長で、船員を指揮している。船員の安全を最優先に考えて行動するが、カルビンとの戦いで苦悩する。

1-3. ラストシーンが持つ衝撃(ここでは概要のみ紹介)

映画のラストでは、一般的に、「観客が映画を見終わった後、すっきりした痛快な気持ちになる」のような、”お決まりの”パターンがよく使われます。

たとえば、ヒーローがいくつもの困難に立ち向かい、最後はラスボスを倒して、明るい未来を迎えるようなラストです。

しかし、『ライフ』は、そんな期待を裏切り、予測不可能なラストを迎えて、観客はおそらく痛快な気持ちになれないでしょう。。

この予測できない展開が、映画を見る人々に衝撃を与えます。

2. ネタバレ解説:映画の衝撃的な結末

ネタバレ解説:映画の衝撃的な結末

以降は、映画「ライフ」のラストに関するネタバレが含まれます。
映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。

2-1. 「ライフ」の結末

船員たちは次々とカルビンに襲われ、終盤で生き残ったのは、デビッド(主人公の医者)とミランダ(船員として入ったばかりで、規律に厳しい)の2人だけです。

生き残った2人は、宇宙ステーションに1人乗りの脱出用ポッドが2機あることを思い出し、計画を立てます。

その計画とは、脱出用ポッド1機はデビッドが犠牲となりカルビンを道連れに地球から遠ざかる。もう1機にミランダを乗せて地球に帰還させる。

デビッドは、脱出用ポッドにカルビンを誘い込むことに、なんとか成功します。

計画どおり、デビッドとカルビンが乗った脱出用ポッド、そしてミランダが乗った脱出用ポッドが、それぞれ宇宙ステーションから放たれます。

*** ここで映画が終われば、ある意味、ハッピーエンドでした ***

 

ところが、脱出用ポッドに宇宙ステーションの破片が接触して、進行方向が変わってしまいます。

つまり、計画と逆になり、ミランダの脱出用ポッドが地球から遠ざかり、デビッドとカルビの脱出用ポッドが地球に向かってしまったのです。

ミランダの絶望に満ちた表情(計画と違いじゃないか)、デビッドの叫び(なぜカルビンが地球に向かう?)。

このシーンが個人的に一番、衝撃を受けました。

 

デビッドとカルビンが乗った脱出用ポッドが海に着水します。

その後、外から声が聞こえ、デビッドは「ハッチを開けるな」と言う。しかし、ハッチが開かれる・・・ ここで映画は終わりです。

2-2. 結末についての解説

攻撃性を備えた、地球外生命体のカルビンが地球の海に着水、脱出用ポッドのハッチが開かれたところで映画は終了になります。

文章だけ読むと、「何だ、大したことないじゃないか」と思うかもしれませんが、実際の映像と、2人の叫び声、そしてバックに流れる音楽・・・、かなりドキドキしました。

映画では、この後について何も触れず、観客の想像に任せるような終わり方です。

その後、どうなるか?

 

普通に考えると、カルビンが地球で爆発的に増殖、巨大化して、人類を滅ぼす、という悲観的な未来です。

しかし、楽観的に考えると、「火星には水が無い → 実はカルビンは水に弱い → 海に着水した脱出用ポッドのハッチを開ける → カルビンが溶けて消滅する」 というラストですね。

絶望的な未来を想像してもらった方が、映画としては成功なんでしょうけど。

それでは、以上です。